感染拡大防止と暮らし命守る追加補正予算など財政出動を求める第5次緊急要望を区に提出しました

感染拡大防止と暮らし命守る追加補正予算など財政出動を求める第5次緊急要望を区に提出しました

5月1日、荒川区議会開会会議が開催され、2020年度荒川区議会定例会の会期(2020年5月1日から2021年4月30日まで通年)を決定しました。同時に区長から「2020年度一般会計補正予算(第一回)」が提出されました。補正額は、233億6200万円余で、①特別定額給付金約220億円②子育て世帯への臨時特別給付金約2億3000万円③新型コロナウイルス感染対策事業8億円(pcrセンター設置など体制強化、医療従事者への支援など)④避難所感染症対策5000万円(マスク、消毒液、防護服などの備蓄品購入)⑤予備費2億円です。ほとんどが国対策に要する経費で国庫支出金で賄われます。10万円の給付や区独自に約10億5000万円でpcr検査のセンタ設置など支援は評価でき補正予算に賛成しました。10万円の給付については一刻も早く区民の手元に届くよう地よく求めました。しかし、区の独自の財政出動は全体の10%にも満たない額です。固定費などの事業運営に苦しむ区内中小業者はじめ困難が広がり、国や都の対策だけでは、到底間に合わないのが現状です。このままでは、新型コロナの感染拡大も防げないばかりか、区内産業の衰退、区民の暮らしの苦境が一層深刻になることは明らかです。日本共産党荒川区議団は、この間積み上げてきた基金(区の貯金 382億円 うち財政調整基金は177億円)も思い切って活用した、独自のくらし応援、区内中小業者への支援を行うことを求めました。そうした中で、緊急の支援内容について、議会終了後、区長に「第5次緊急要望」として提出しました。

【追記】なお、補正予算の賛成討論の中で基金の活用について日本共産党区議団は積極的に活用すべきときだと主張しました。同時に、自民党区議団も基金の活用について「躊躇なく」行うことを求めました。しかし公明党は、「将来の財政」を考えると慎重に行うべきと主張しました。基金は、財政的な変動だけでなく、災害や緊急事態に対処するために積み上げているものです。日本共産党と自民党では、基金の考え方に違いがあります。しかし、この危機的状況下で、区民と区内事業者を守るための財政出動ついては、共通した認識だと思います。公明党区議団が言うように基金を活用した財政出動を躊躇しているようでは、区内産業も区民の暮らしも守れません。いま、守るべきものを守ってこそ、将来の地域経済の再生、区民生活の再生、区の税収確保も可能ではないでしょうか。振り返ってみると「焼け野原」という景色だけは、作ってはいけません。それは政治の責任ではないでしょうか。

 

感染拡大防止と暮らし命守る追加補正予算など財政出動を求める第5次緊急要望

荒川区長 西川太一郎 殿

政府は、緊急事態宣言を5月末まで再延長する方向を打ち出しました。当然休業要請や外出の自粛なども延長されます。しかし、感染防止を確かのものにする自粛に伴う生活や事業への補償は、国、都の施策では極めて不十分であることも明らかになっています。10万円の給付もいつ区民の手元に届くかはっきりしません。また売り上げが激減ないしゼロになった区内事業者が増加しています。持続化給付金も1カ月50%以上の売上減が要件であり、3割、4割の減少が続いても対象になりません。都の協力金も4月17日からの休業や時短は対象外です。休んでも固定費は生じ、廃業などの危機に直面する事業者も少なくありません。

今回の補正予算は、臨時特別給付金など国の施策と区独自のPCR検査の実施などです。これは重要であり、迅速な対応が求められます。同時に、区民の深刻なくらしの実態からも区独自の支援策も待ったなしです。

緊急事態宣言の延長という事態も受けて、区民の大変さに寄り添い、以下の内容を盛り込んだ追加の補正予算を思い切って組むことを求めます。

①ひとり親世帯(児童育成手当受給世帯)については、区独自で1世帯5万円の追加給付を実施すること。(対象約1700世帯×5万円 約8000万円)

②新型コロナウイルス対策特別融資の利子の本人負担をゼロにすること。その際すでに実行済みの融資についてもさかのぼって適用すること。(予算 利子補給分2000万円)

③売り上げが減少した中小事業者の家賃・リース代など固定費への支援を実施すること。(対象3000件 9億円)

④ひとり親世帯をはじめ子育て世帯への給食サービス(弁当の提供含む)を実施すること。(週2回弁当含む食事サービス 1食500円を8回×5000人 2000万円)

⑤子どもたちの学習支援のため、Wi-Fi環境のない世帯へのWi-Fi環境整備やデバイスの貸与などを含めて具体化すること。(1億円)

2020年5月1日        日本共産党荒川区議会議員団

※新コロナウイルス感染拡大とのたたかいの中、新緑の季節になっています。表紙の写真は、区役所前の公園です。