地域防災計画修正…荒川区が都心東部直下地震の被害想定を公表・南部直下に比べ死者、建物全半壊など増加

地域防災計画修正…荒川区が都心東部直下地震の被害想定を公表・南部直下に比べ死者、建物全半壊など増加

最大の被害を想定…減災目標は半減でよいのか?
対策の基本は、住宅耐震化と地域の不燃化に全力を

3月22日、区は、地域防災計画修正案と独自被害想定を議会に報告しました。した。(左表太枠内)
最も大きな被害が想定されるのは都心東部直下地震であり、ほぼ区内全域が震度6強、内震度7(左地図)が町屋、東尾久、荒川の木造密集地域に大きく広がっています。建物の全壊、焼失8379棟で想定死者数の大きな要因となっています。やはり、住宅耐震化・不燃化は、待ったなしです。区民の誰もが命が守られる安全な住宅に住むため、あらゆる支援を行うべきです。
しかし災害を未然防ぐ減災目標は、人的・物的被害の半減となっています。区は、「一人の犠牲者も出さない」を掲げています。であれば、少なくとも犠牲者ゼロ、建物倒壊ゼロを目標にすべきではないでしょうか。

 

想定死者数の87%が災害時要配慮者
福祉の充実が命を守るもう一つの柱です

想定死者数は、389人、その内338人・約87%が要配慮者(災害時に情報を把握したり一人で避難することが難しい人等=高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、外国人など)となっています。避難所生活でも災害関連死リスクの高い方々です。どうすれば良いのか、答えは、福祉の充実ではないでしょうか。
①誰もが、逃げなくてもよい安全な住宅に住める環境(家賃助成、高齢者・障害者の住まいの保障など)
②必要な人が介護や障害者施設に入れるだけの特養・グループホームなど整備
③地域包括支援センターの体制の抜本的強化(職員増、センター増設…例えば、町屋の木造密集地域に一か所など)
④一人暮らし高齢者の訪問調査の実施など
避難行動要支援者(上表)のうち個別支援画策定は、高齢者41%、障害者23%に止まっています。福祉の充実こそ、命を守ることにつながります。

水道耐震化などライフラインの確保はどうなる
区内は6割近い断水率…問われる都の責任

能登半島地震は、水道の断水が長期化続き復旧復興に大きな障害となっています。今回の想定では、区内の約6割で断水、電気も5割近い停電となっています。
この二つは、発災後の生活に深刻な影響を与えるもので、耐震化などの取り組みが急がれます。
特に水道は、避難所に通じる継手は100%耐震化されているようですが、他は、いまだに4割台です。
水道事業を担う東京都は、水道の耐震化を最優先で進めるべきです。合わせて下水管耐震化も急がれます。