家賃負担率が子どもに大きなリスク…家賃助成制度や公営住宅の整備が課題

家賃負担率が子どもに大きなリスク…家賃助成制度や公営住宅の整備が課題

区議会で子育て世代への区独自の「家賃助成制度」の検討を求める

首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターは、都の委託で2016年に墨田区、豊島区、調布市、日野市の小5年、中2年、16歳、17歳対象に子どもの生活実態調査を実施。注目されるのが子どもの貧困と住宅環境の分析です。
分析にあたった小田川華子教授は、「貧困とは、ただ低所得というだけなく、それがゆえに生活の中に困難・不利がたくさん起こる不公正な状態」といいます。そして、きびしい家計・就労時間を増やす・子育ての時間が制約・子どもの生活に影響を及ぼすなど悪循環の大きな要因として生活困難家庭の家賃負担の重さに注目しています。
分析では(小学5年の世帯年)収入と社会保障給付の合計額に対する家賃割合=負担率は、生活困窮層では家賃負担率が40%以上の世帯が35・4%(下左表参照)。これが、家計を圧迫、預貯金の取り崩しや借金に頼る原因となり、必要な衣類が買えない、食料の購入が困難などが生じ、子どもたちに健康はじめ大きなリスクとなっています(下グラフ参照)。小田川教授「子どもたちの生活が過度な家賃負担により制約されないよう、家賃負担軽減や、公営住宅への優先入居」など施策充実を提案しています。
日本共産党荒川区議団は、議会質問で、子育て世代向けの都営住宅新規供給を含め、拡充、区として家賃補助制度の創設を求めました。区は、家賃助成について「総合的に検討」、都営住宅について新規供給を求めないとなどと答弁。実態を見ない区の姿勢は、子どもの貧困対策に逆行しています。

※表紙の写真は、宮前公園内に建設された保育園