日本共産党荒川区議団…区長に「新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言解除にともなう緊急要望」を申し入れ

日本共産党荒川区議団…区長に「新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言解除にともなう緊急要望」を申し入れ

3月19日、日本共産党荒川区議会議員団は、西川区長に対し「新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言解除にともなう緊急要望」を提出しました。新年度予算では、新型コロナウィルス感染症対策約14億円のうち約10億円が全額国費のワクチン接種関連費用であり、区独自の検査拡大やくらしや事業者支援が極めて不十分な内容でした。日本共産党荒川区議会議員団は、検査拡充、保健所体制の強化など予算の1%約10億円規模の予算組み替え動議を提案しました。自民、公明などの反対で否決はされましたが、そうした内容も含めて緊急事態宣言の解除という事態に区長に緊急申し入れを行いました。以下その内容をご紹介します。

 

新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言解除にともなう緊急要望

荒川区長 西川太一郎殿

一昨年の11月に新型コロナウィルスの感染拡大が確認されて1年半になろうとしています。その間、何らの根拠のない全国一律休校にはじまり、外出自粛や休業、時間短縮要請、その一方で人の移動を加速させる「GoToトラベル」が強行されました。また、二度に渡る緊急事態宣言と延長が繰り返され今日に至りました。その要因は、感染症対策の最も基本原則である、検査、保護、補償が極めて不十分であるばかりか、逆に政府内から「検査抑止論」が出されるなど、時の政権による「人災」ともいえる事態が続いてきました。

感染拡大の第3波を受けた緊急事態宣言が1月7日に発令され2か月半を経過しました。こうした中で、菅首相は、緊急事態宣言を21日で解除することを決めました。しかし変異株の感染拡大が広がり、東京での新規感染者も増加に転じた中であり、きわめて重大な問題を含んだ判断となっています。問題は、これまでの政府の感染症対策が、検査の抜本的拡充、医療機関の減収補填、営業への十分な補償、雇用と賃金の保障など現場の切実な要求に応えてこなかった結果今日の事態が起こっていることです。政府対策本部分科会の尾身会長も変異株の感染状況把握について、無症状感染者の大規模検査の重要性について言及しています。政府は、今回の解除にあたって、ようやく大規模モニタリング検査、変異株のサーベイランスの拡大など打ち出しましたが、その規模、内容が問われています。

また、荒川区の新型コロナ対策に関する新年度予算は、ワクチン接種対策費が7割を占めています。ワクチン頼みでなく、大規模検査、十分な補償、医療機関への支援など感染症対策の基本的な施策にこそ金も人もつぎ込むべきです。そのため以下の対策を直ちに実施するよう強く求めす。

1、新型コロナウィルス・変異株の感染拡大から区民の健康と命を守るために

①政府に対し社会的検査を高齢者施設、医療機関・障害者施設などの職員への定期・頻回実施、大規模モニタリング検査の実施、変異株の検査の大幅引き上げの実施を強く求めること。

②高齢者施設職員への定期検査について区の計画に医療機関、障害者福祉施設職員とともに入所者や入院患者も対象に含めること。

③東京都に対し、大規模モニタリング検査の実施と変異種検査の抜本的拡大を強く求めること。そのため区としての取り組みの具体化と体制整備を行うこと。

④新年度予算にない区独自のPCRセンターについては、継続強化すること。

⑤医療機関と関係者への区独自の支援を実施すること。

⑥ワクチン接種については、集団接種とともに個別接種の体制を整備すること。

⑦保健所としての本来任務である積極的疫学調査の実施とともに今後の社会的検査、大規模検査で感染拡大を抑え込むにふさわしい、恒常的な保健所体制の抜本的強化を行うこと。その際、保健師など専門職を計画的に増員すること。

 

2、暮らしと営業を守るために

①区内事業者のコロナ影響調査を訪問で実施し、相談の聞き取りや直接支援にもつなげること。

②区内産業の集積を守り、持続的発展につなげるためにも、事業継続支援の補助制度を実施すること。

③国や都の新規支援策の広報、手続きの支援など相談窓口をさらに強化すること。

④ひとり親世帯などへの家賃助成制度を検討実施すること。

⑤日曜開庁日に、生活保護や児童扶養手当など暮らしに関わる相談や手続きができようにすること。

 

3、子どもの育ち、学びの場を保障するために

①図書館について、より徹底した感染予防対策を行って、閲覧席、座席、研究室、学習席など利用できるようにすること。

②荒川区で配置している小中学校のスクールカウンセラーを増員しよりきめ細かく対応できるようにすること。

③コロナ禍で子育て世帯の経済的な困難が拡大しており、スクールソーシャルワーカーの増員など対応を強化すること。

 

4、新型コロナ対応地方創生臨時交付金など補正予算で事業実施後に戻ってきた財源については、決算剰余金として全額基金に積むのでなく、コロナ対策の新規事業に思い切って振り向けること。また、大規模市街地再開発は、計画決定を先送りし徹底したコロナ感染防止対策とくらし応援に集中すること。

以上

 

2021年3月19日

日本共産党荒川区議会議員団